
「移動平均線が交差したらエントリー」 そんな話を
聞いたことがある方も多いかもしれません。
でも実際のところ、これって本当に使えるのか?
そして、自動売買(EA)でも通用するのか?
この記事では、そんな疑問を持つ初心者の方でも
理解できるように、「EMAクロス」という
テクニックの基本から、EAでの活用法まで解説していきます。
EMAクロスとは?ざっくり説明
EMAとは、「指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average)」の略です。
これは、過去の価格に重みをつけて平均を出すもので、 直近の動きに敏感に反応するのが特徴です。
そして「EMAクロス」とは、
- 短期EMA(例:5期間)
- 長期EMA(例:20期間) をチャート上に表示させ、 短期EMAが
長期EMAを上抜けたら買いシグナル、 逆に下抜けたら売りシグナルとする手法です。
シンプルでわかりやすいため、多くのトレーダーやEA開発者に好まれています。
EAではどう使われるのか
自動売買では「条件が数値で定義できるか」が重要です。
その点、EMAクロスは明確な数式で判断できるため、
EAに組み込みやすいという大きな利点があります。
実際のコードでいうと、こんな感じです:
if (iMA(NULL, 0, 5, 0, MODE_EMA, PRICE_CLOSE, 0) > iMA(NULL, 0, 20, 0, MODE_EMA, PRICE_CLOSE, 0)) { // 買いエントリー }
このように、クロスの条件を検知して自動的にエントリーするロジックを作ることができます。
メリット・デメリットは?
メリット:
- 視覚的にわかりやすい(裁量でも使いやすい)
- EA化しやすく、テストも容易
- トレンドの初動を捉えるチャンスがある
デメリット:
- ダマシが多く、レンジ相場では機能しない
- 遅行指標のため、エントリーがワンテンポ遅れることがある
- 条件が単純すぎて、単体では勝ちにくい
使う時の注意点(ありがちな失敗)
「クロスした=即エントリー」と考えるのは危険です。
相場にはトレンドの発生・継続・終了があり、
ただのクロスではその流れを見極めることはできません。
たとえば、以下のような対策が必要です:
- 上位足のトレンドをフィルターとして使う
- ATRやADXなどでボラティリティやトレンド強度を加味する
- クロス後のローソク足の確定まで待つ
これらを組み合わせることで、ダマシを減らしやすくなります。
私が実際に使って感じたこと
私自身も、最初は「EMAクロスだけ」でEAを組んだことがあります。
結論から言えば、勝てませんでした。
特にレンジ相場では、クロス後にすぐ逆行して損切り……というパターンが多かった。
その後、以下のような工夫を重ねました:
- EMAクロスは“きっかけ”と割り切る
- 上位足のトレンド方向と一致したときのみ有効化
- 直近のボラティリティで“エントリー距離”を調整
このように、クロスはあくまで「シグナルの一部」に過ぎません。
より精度の高い判断を加えることで、はじめて実戦レベルになります。
まとめ|EAでの活かし方と今後のヒント
EMAクロスは、初心者が最初に学ぶべきテクニックのひとつです。
視覚的にわかりやすく、EAでも組み込みやすいため、
「とにかく動くEAを作ってみたい」という方には最適な題材です。
ただし、単体で使うと勝率は低く、 環境認識や
複合ロジックと組み合わせることが前提となります。
私が配布しているEAでも、EMAクロスをトリガーにしつつ、
AI予測や上位足のフィルターと組み合わせて活用しています。
もし、実際のコードや使い方を見てみたい方は、
LINE登録者向けに無料配布しているので、
そちらも参考にしてみてください。